ダム設備保守点検業務

雨雪量(雨量)観測機器

 ダムにおける雨量計の設置は、ダムの運用や周辺地域の安全確保に欠かせない重要な役割を担っています。雨量計を使用することで、降雨量をリアルタイムに監視し、ダム貯水量の管理や水位調整を迅速かつ適切に行うことが可能です。また、異常な降雨が予測される場合には早期の対応が可能になり、洪水リスクの軽減にもつながります。こうした情報は、周辺地域の防災対策や安全確保にも役立つため、ダム運用において雨量計は不可欠な設備となっています。

地震観測機器

 地震計は地震発生時の振動や揺れを即時に検知し、ダム本体への影響を把握するためのデータを提供します。これにより、構造の健全性を確認し、必要に応じて早急な安全対策を講じることが可能になります。また、地震後のダムや周辺地域の安全を評価するための重要な情報源となり、迅速な避難指示や災害対応を支えるため、地震計は不可欠な役割を果たしています。

地滑り観測機器

 地滑り観測装置は、地盤の変動や斜面のわずかな動きを検知し、地滑りの前兆を把握するための重要なデータを提供します。このデータに基づいて、早期に対策を講じたり、必要に応じて避難を促したりすることで、災害リスクを低減できます。地滑りの監視は、ダム周辺の防災対策を強化し、住民や関係者の安心・安全を守るための重要な役割を果たしています。

地表面伸縮計

 地表面伸縮計は、地表のわずかな動きを高精度で計測し、地盤の変動や異常の兆候を早期に検出する役割を果たします。このデータは、ダムやその周辺の地盤がどのように変化しているかを把握する上で不可欠であり、ダムの安全管理や適切なメンテナンスに役立ちます。地表面伸縮計による継続的な監視は、地域住民や利用者の安全を守るための重要な防災対策となっています。

揚圧力観測機器

 揚圧力計は、ダムの基礎や周辺の地盤に浸透する水の圧力を計測し、異常な圧力変化が生じていないかをリアルタイムで確認するためのデータを提供します。これにより、ダム基礎部の安定性を維持し、万が一の異常発生時には早急な対応が可能となります。揚圧力計による監視は、ダム構造の健全性を保ち、ダムの安全運用と周辺地域の防災対策を支える重要な設備です。

漏水量観測機器

 漏水量計は、ダムやその基礎部分を通過する水の量を正確に測定し、通常と異なる漏水が発生していないかを監視します。漏水量の変化は、ダム構造の異常や地盤の問題の初期兆候を示すことがあり、早期に異常を発見するための重要な情報となります。これにより、適切な点検や修繕を行い、ダム運用の安全性を保つことが可能になります。漏水量計は、ダム管理において不可欠な設備のひとつです。

気象観測機器(風向風速)

 風向風速計は、風の強さや向きをリアルタイムで測定し、ダム周辺の気象状況を把握するためのデータを提供します。特に、強風が発生した場合には、水面の波浪やスプレー状の水がダム設備や周辺施設に与える影響を予測し、必要な対応を取ることが可能です。また、風向風速データは、ダム管理における水資源利用や防災計画に役立ち、地域の安全を確保するための基礎資料としても活用されます。風向風速計は、気象リスクに対応するための重要な設備です。

たわみ測定装置

 たわみ計は、ダム本体の水平または垂直方向の変位を高精度で測定し、外部の荷重や地震、温度変化などによる影響を把握します。これにより、異常な変形やたわみが発生していないかをリアルタイムで確認でき、早期に対策を講じることが可能です。たわみ計のデータは、ダムの健全性評価や保守計画の基礎資料として活用され、ダムの安全運用を支える重要な役割を果たしています。